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Odissi dance 

東インド巫女舞

​Guru Keruchalan Mohapatra流派「SRJAN」

オディッシーダンスは、考古学的証拠に基づくと、インド古典舞踊の中でも最古の舞踊様式のひとつとされています。


その起源は、仏教が東インドで栄えていた時代にまでさかのぼり、「より高次の存在への献身を身体で表現する舞」として発展してきました。

優雅で叙情的な動き、流れるような曲線美を特徴とし、「動く彫刻」とも称されています。

オディッシーは、オディシャ州プリーのジャガンナート寺院を中心に育まれてきました。


寺院では「マハリ」と呼ばれる巫女たちが、神々へ捧げる朝夕の儀式舞踊を行っており、その伝統は長い年月をかけて受け継がれてきました。

また、インド最古の演劇・舞踊理論書『ナーティヤ・シャーストラ』にも、東インド地域の舞踊としてその存在が記されています。

時代の変化とともに、マハリたちの社会的地位は衰退し、寺院舞踊としてのオディッシーも一時衰えていきました。


しかし、「ゴティプア」と呼ばれる少年舞踊家たちと、その師たちによって舞は守られ続けました。

マハリとゴティプアの伝統は、ジャガンナート信仰と深く結びついています。


ジャガンナート神は、現在でもオディシャ州の文化や人々の生活に深く息づいています。

20世紀に入り、オディッシーは再び復興の時代を迎えます。
その中心となったのが、

  • Guru Pankaj Charan Das

  • Guru Deba Prasad Das

  • Guru Kelucharan Mohapatra

ら偉大な舞踊家たちでした。

特に Guru Kelucharan Mohapatra は、数々の著名な弟子たちとともに、現代オディッシーの基礎を築き上げ、世界へ広めた人物として知られています。

Guru Keruchalan Mohapatra

Guru Keruchalan Mohapatra

Guru Ratikant Mohapatra

Guru Ratikant Mohapatra

Guru Sujata Mohapatra

Guru Sujata Mohapatra

オディッシーの特徴は、その彫刻的な身体表現にあります。


寺院彫刻を思わせるポーズや、「バンガ(身体の曲線)」の概念を用いた動きによって、独特の美しさが生まれます。

代表的な姿勢には、

  • 男性的エネルギーを象徴する「チョウカ」

  • 三屈曲の曲線美を持つ「トリバンギ」

があります。

腰のたわみ、丸みを帯びた手の軌道、流れるような身体表現によって、空間に優雅な造形美を描き出していきます。

また、オディッシーは独自の音楽体系を持ち、古代打楽器「マルダラ」の音色とともに踊られます。


その官能的で流麗な動きは、サンスクリット語で「Lasya(優美で女性的な舞)」として表現され、祈りと芸術性を兼ね備えた舞踊として世界中で愛されています。

現在、Guru Kelucharan Mohapatra の舞踊学校「SRJAN」は、息子 Guru Ratikant Mohapatra、妻 Guru Sujata Mohapatra によって受け継がれています。


オディッシーには流派ごとに異なる特徴があり、基本所作や表現方法にもそれぞれ個性があります。

Guru Kelucharan Mohapatra スタイルは、現在もっとも世界的に知られる流派のひとつであり、世界各地に多くの弟子たちが存在しています。

おすすめ映像作品▶

Michael Jackson 「Black or White」

Madonna 「Shanti / Ashtangi」

映画『カーマ・スートラ ~愛の教科書~』

代表・佐藤幸恵は、2008年より Odissi 舞踊団「SRJAN」の一員として学びを重ね、SRJANスタイルのオディッシーを指導しています。現在は、Guru Ratikant Mohapatra、Guru Sujata Mohapatra の両師に師事しています。インド古典芸能の世界における師弟関係は非常に神聖なものであり、誰もが簡単に築けるものではありません。インドでは、師と弟子が互いを認め合い、正式な師弟関係を結ぶまでに、7年ほどの歳月を要するとも言われています。佐藤自身も、長年にわたり学びと信頼関係を積み重ねる中で、特別に両師への師事を許されました。また、「生涯をかけてSRJANの道を学び続けること」「他流派へ移ることなく、一筋にこの伝統を受け継いでいくこと」を自ら誓い、その想いと覚悟のもとで現在も研鑽を続けています。

Odissi danceについて

インドの古典舞踊は、紀元前より脈々と受け継がれてきました。
その中でもオディッシーダンスの起源は、「オドラ・マガディ」と呼ばれる古代の舞にさかのぼります。

伝統的なオディッシーは、もともと「マハリ・ダンス」としてジャガンナート神へ奉納され、寺院の中で神聖な舞として踊られていました。
その後、社会的・宗教的背景の変化により、「ゴティプア・ダンス」を通して、より広い人々へ受け継がれていきます。

こうした地域伝統は、『ナティヤ・シャーストラ』や『アビナヤ・ダルパナ』など、インド古典芸能理論に基づきながら発展してきました。

時代の流れの中で一度は衰退しますが、代表・佐藤幸恵の師の父である偉大なる舞踊家 Guru Kelucharan Mohapatra らによって復興され、舞台芸術として新たな命を吹き込まれました。

オディッシーの舞は、「まるで石像が動き出したよう」とも称され、インド古典舞踊の中でも特に女性美を際立たせる舞として知られています。

基本姿勢には、

  • 男性神を表す四角い形の「チョウカ」

  • 女性神を表す三屈曲の「トリバンギ」

という代表的なポーズがあり、それらを使い分けながら物語を表現していきます。

また、手・首・胸・胴体・目線・表情など、身体のあらゆる部位に細かな決まりが存在し、それぞれに意味とエネルギーの流れがあります。

正確な姿勢や動きを保つことで、舞の神聖性と美しさが生まれていきます。

男性神を表す四角い形の「チョウカ」

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女性神を表す三屈曲の「トリバンギ」

衣装について

オディッシーダンスの衣装は、オディシャ州の伝統工芸をもとに、Guru Kelucharan Mohapatra らによって現在の形へと整えられました。

衣装はシルク製の民族衣装サリーから仕立てられ、頭には「タヒヤ」と呼ばれる寺院を模した頭飾りを装着します。

全身には純銀製のアクセサリーを身につけ、邪気を払う意味を持つとも言われています。
足には「グングル」と呼ばれる鈴を付け、リズムを刻みながら舞います。

さらに、手足には「アルタ」と呼ばれる赤い染料を施します。
これは吉祥を意味し、神への奉納舞踊としての神聖さを表しています。

魚の尾のように長く引かれたアイラインや華やかな装飾によって、踊り手は神へ舞を捧げる存在へと変化していきます。

オディッシー基礎について

オディッシーダンスには、身体の各部位ごとに細かな基礎体系が存在します。
すべての動きには意味・方向性・エネルギーの流れがあり、それらを組み合わせることで舞が構成されていきます。

  • 足の型 36型

  • 手の型(手印)79型

  • 身体基礎軸 4型

  • 胴体の曲げ 4型

  • 胸郭の動作 4型

  • 首の動作 4型

  • 頭部の動作 7型

  • 目の動作 8型

  • 眼球運動 8型

さらに、

  • 歩きの所作 10型

  • ジャンプ所作 6型

  • ターン所作 6型

  • 基礎ポーズ 10動作+スペシャル2種

  • リズムパターン 7タイプ

  • リズムステップ基礎 6タイプ

など、多くの基礎体系によって構成されています。

そして、この先にはさらに膨大な応用と組み合わせの世界が広がっています🤭🤣

インド音楽とは

インド音楽は、北インド音楽と南インド音楽、それぞれの地域性や流派を背景に発展してきた、非常に奥深い伝統音楽です。
複雑なリズム構造と独特の旋律によって、多層的で豊かな音世界を生み出しています。

インド音楽の基本には、

  • 「ラーガ(Raga)」と呼ばれる旋律の型

  • 「ターラ(Tala)」と呼ばれるリズムの型

があります。

この二つが組み合わさることで、時間帯や季節、感情や情景に合わせた音楽が生まれ、聴く人の心を深く揺さぶります。

また、日本の「ドレミファソラシド」の原型とも言われる音階は、インド音楽の影響を受けているとも考えられています。
 

インドでは、

「サ・レ・ガ・マ・パ・ダ・ニ・サ」

という7つの音を基礎とし、その組み合わせによって数多くのラーガが作られています。

 

オディッシーダンスの音楽も、こうしたインド音楽理論を基盤としており、舞と密接に結びついています。

主な使用楽器には、

  • マルダラ(横長の太鼓)

  • ヴァイオリン

  • シタール

  • バンスリ(竹笛)

  • ハーモニウム

  • マンジーラ(小シンバル)

  • ヴォーカル(声楽)

などがあり、それぞれが舞台音楽として繊細に構成されています。

演目ごとに決まったラーガやターラが存在し、歌詞は主にサンスクリット語やオリヤ語で歌われます。
それらは単なる歌ではなく、神への祈りであり、詩であり、感情を表現する神聖な言葉として受け継がれています。

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