
自他共栄「泳縁(えいえん)」
懇親会~大望年会~
Yukie indian dance company Sampatti with Indian sangita troupe
【本日のプログラム】
東インド巫女舞オディッシーダンス
「シュリータ カマラ」~クリシュナ神の武勇伝~
「シュリータ・カマラ」は、インド叙事詩「ギータ・ゴーヴィンダ」の二番目の歌で、詩人がクリシュナの姿であるヴィシュヌ神を賞賛しています。ジャヤデーヴァの言葉は以下のように翻訳できます。
あなた(ハリ)はシュリー(カマラ)の伴侶で、上質な宝石と森の花の花輪を身につけています。 あなたは太陽の円盤で飾られ、賢者たちに崇拝され、マドゥ、ムラ、ナラカなどの悪魔を破壊し、愛車は天空の鳥ガルダ。 ラーマ王の姿で、あなたはシータ姫と結婚し、十の頭を持つ悪魔ラーヴァナを倒した。 ジャヤデーヴァによるこの賛美の詩は、それを詠唱し黙想する人々に喜びと心の平安をもたらします。
【東インド巫女舞オディッシーダンスとは】
インドの東オディッシャ州に紀元前より伝わる舞で、インド7大舞踊の中でも最も女性美が表現されていると定評でその動きは石造彫刻が動き出したような踊りであることから動く彫刻とも呼ばれている。「チョウコ」と呼ばれる男性神を表すポーズ、「トリバンギ」と呼ばれる女性神を表す3つに曲がりくねらせるポーズの2つのポーズを基本とし、足、手、胴体、首、目、頭、表情、感情の全てに決められた所作が100以上あり、全てを同時に操りストーリーを展開させていく舞踊です。ヒンドゥー教の叙事詩やお経に合わせ、ラーガと呼ばれるメロディーとターラと呼ばれるリズムに合わせて踊りを展開します。ラサと呼ばれる感情を表現する部分ではダンサーの発した感情は観客の心に触れ、観客の心が受信したとき更なる感情ヴァ―ヴァが湧き出て融合し、会場を満たすともいわれています。
3大流派のうち、世界的に貢献した流派Guru Kelucharan Mohapatra流派を佐藤は継承しており、我が先代の師は衰退しかけた舞踊を復活させるべく、人生をささげ今日があります。その功績は国で認められインド人間国宝として、2代にわたり表彰されています。
インド古典音楽~即興演奏~
メロディー: Raga Yaman (夜の旋律)
リズム: Tala TeenTaal (16拍子)
北インド古典音楽は、あらかじめ作曲された楽曲を演奏するのではなくラーガ(インドの旋法)ターラ(インドのリズムの概念)を用いてその時々の情景に応じ、奏者が即興でストーリーを紡いでいきます。
今回演奏されるラーガ ヤマンは、非常にロマンチックな性質を持つ夜のラーガで、ティンタールというインドの16拍子にのせてシタールとタブラという、インドの伝統楽器のアンサンブルでお届けします。
【本日のミュージシャン】大表 史明、下廣 海、平井 亜矢子(a.k.a あやこんぶ)
世界的ヴァイオリニスト、葉加瀬太郎氏との共演等メディアでも話題沸騰中で、現在全国ツアーを終えたばかりの海洋ゴミから作られた民族楽器を演奏する『海洋ゴミ楽器集団 ゴミンゾク』からフロントの3人がインド音楽に特化した特別ユニットを結成しました。
それぞれ独立した音楽活動も行っている3人の音楽的バックグラウンドを生かし、今回のショーの為だけに結成された一夜限りの楽団です。
インド映画ボリウッドダンス
・映画Bunty Aur Babli (2005)「Kajra Re]
・映画Rocky Aur Rani Kii Prem Kahaani (2023)「Dhindhora Baje Re」
【ボリウッドダンスとは】
インドの西に位置するムンバイで制作される映画をボリウッド映画といいます。ハリウッドとボンベイ(ムンバイ)をかけてボリウッドという名になりました。映画の中で踊られるダンスを総称してボリウッドダンスとして世界中で踊られるようになりました。インド古典舞踊の基礎をベースにフォークダンス、トライバルダンス、ヒップホップ、ジャズ、フラメンコ、ベリーダンスなどの他のダンスを融合させ独自のダンススタイルを作り上げ、映画の内容に合わせた振付でストーリーを展開させミュージカルの様な初期のハリウッド映画を思わせる映画作りが根強く残っています。観客動員のために人気女優がダンスシーンだけゲスト出演することも多いです。
出演者紹介

今宵のためだけに結成されたメンバーです

Yukie Satto
【若鯱会4G・研修委員会副委員長】
インド舞踊オディッシーダンスに魅せられて以来、インドにてGuru Ratikant & Sujata Mohapatra 夫妻と師弟関係を結び、16年目。人生の大半をインドのダンス・文化・芸術・哲学・ヨガなどの普及活動・後進の育成や研究に積極的に取り組み続けている。鍼灸師、ヒーラー。

大表 史明
Music Director,パーカッション、タブラ
インド・アフリカの打楽器を中心に世界各地のリズムに精通する民族系パーカッショニスト。
伝統音楽から現代音楽に至るまでジャンルを問わないプレイスタイルには定評があり海外ミュージシャンとの共演も多い。
その音楽に対する幅広い知識を生かし演奏のみならず、数々のテレビ番組・CMなどの作曲も手がけ世界中の楽器にも造詣が深いことから、楽器製作家としても活動。
近年は海洋ゴミから楽器を作る手法を独自に編み出し、ゴミから出来た楽器だけで演奏活動をする「海洋ゴミ楽器集団ゴミンゾク」を結成。リーダーとして多数のメディアに出演し全国を演奏・講演活動で飛び回っている。

平井 亜矢子(a.k.a あやこんぶ)
タンプーラ、ヴォーカルhttps://www.instagram.com/1868meiji/(instagram)
十代の頃より歌やギターで音楽活動をスタート。自身のユニット『いとまとあやこ』ではボーカリストを務め、キーボーディストの伊藤誠人と共にエフェクターを駆使した多重録音によって繰り広げられる圧巻のステージングからシンプルに聴かせる歌ものまで、幅広い表現で全国的に演奏活動を展開している。映像作品等への参加も積極的に行っており歌唱参加作品『盲目の魚-The Blind Fish-』は文化庁メディア芸術祭において新人賞を受賞。CMでの歌唱や、役者としても参加作品多数。その他、KINEMAS(cho)、まほろばローリング楽団(cho)、海洋ゴミ楽器集団ゴミンゾクでは『あやこんぶ(vo)』として多岐にわたるユニットに参加。

Yuka,Yui,Naco,Fuyumi,Eri,
Junko,Kazue,Ariko,Yoko
Yukie indian dance company Sampatti Members
Dancer
Yukie indian dance company Sampattiに所属するセミプロダンサー達。平日はオフィス ワーカーとして、休日は演者として本格的に活動し続けるダンサー。

下廣 海
シタール、ヴォーカルhttps://twitter.com/Kai_RojiuraCW(twitter)
あらゆる楽器を弾きこなす音楽家。シタールはAmit Roy氏に師事。様々なユニットやバンドに参加し、有名音楽家とも共演。その他にもギター講師、シンガーソングライターとしても活動している。
インド楽器
インド楽器のご紹介

シタール
シタール(sitār)は、北インドで生まれた弦楽器です。カボチャをくり抜いた丸いボディに、7本の主要弦と10数本の共鳴弦を張り、右手につけた義甲で弾きます。複雑な倍音成分を多く含んだ神秘的な音が特徴です。
シタールは今日の北インド古典音楽の中で大変ポピュラーな楽器の一つで、古典音楽以外にも幅広いジャンルで使われています。1970年代にビートルズが楽曲にシタールを使用したことで、世界的な知名度を得ました。

タンプーラ
タンプーラは、インドで使用される弦楽器です。インド古典音楽に欠かせない楽器で、演奏者の後ろでドローン音を奏でます。楽器の伴奏や声楽の音のガイドに用いられます。
タンプーラは、長棹リュート族の撥弦楽器で、中国西域から東欧にかけて広く分布しています。タンブーラ、タンブール、ドンブラなどとも呼ばれます。
タンプーラは通常4弦~5弦で、複雑な倍音とハーモニクスを作り出します。インド音楽の伴奏やヒーリングにも使われます

タブラ
タブラは、北インド古典音楽の打楽器です。木製または陶製の底のある釜形の胴の上面に革を張り、わくをひもでしめたもの。高音のタブラと低音のパヤという2種類の太鼓で、組み合わせてタブラー・バーヤ(タブラーバーヤン)とも呼ばれます。
タブラは、インドの代表的な太鼓で、しゃべる太鼓とも呼ばれています。手のひらと指でたたき、リズムだけでなくメロディーを奏でることができます。
調律は伴奏する楽器や声楽の主音に合わせます。
インドの神様「クリシュナ神」
【クリシュナ神とは】
クリシュナ(Krishna)は、ヒンドゥー教の神であり、特にバラモン教の一派であるバーガヴァタ教においては最高神のひとつとされています。クリシュナは「全ての魅力を持つ者」や「黒い者」を意味し、彼の物語は古代のインドの宗教文学や神話に広く見られます。
オディッシーダンスの佐藤の継承しているGuru Kerucharan Mohapatra流派はクリシュナ神を描いた叙事詩「ギータ・ゴーヴィンダ」作者ジャヤ・デーヴァの作品を得意としており、本日の演目「シュリータ・カマラ」はギータ・ゴーヴィンダのアシュタパディと呼ばれる部分です。
「アシュタパディ」は、サンスクリット語で「八つの足跡」を意味し、ヒンドゥー教の詩や歌の形式の一つです。これは主にバクティ(神への愛と献身)のテーマに焦点を当てた宗教的な詩や歌に使われます。アシュタパディは8つの行(パダ)から成り、通常は同じメーターと韻律で構成されています。
最も有名なアシュタパディの一つは、サンスクリット詩人であるジャヤデヴァによって書かれた『ギータ・ゴーヴィンダ』(Gita Govinda)です。『ギータ・ゴーヴィンダ』は、クリシュナ神の愛と神聖な関係を描いた詩の集成であり、12世紀にインドで作成されました。この作品は、クリシュナ神と牧牛の少女であるラーダーとの愛の物語を歌っており、バクティ運動の中で広く愛されています。
他にも、アシュタパディの形式でさまざまな詩や歌が書かれています。これらの作品は、神聖な愛、宗教的な献身、精神的な探求などに焦点を当て、ヒンドゥー教の宗教的な文学の中で重要な位置を占めています。
「クリシュナ神」とは、ヒンドゥー教における最高神ヴィシュヌのひとつのアヴァターラ(神の化身)とされ、また独自の神格としても崇拝されています。クリシュナの物語と教えは、主に古代インドの宗教文学や神話に根ざしています。
【アヴァターラとしてのクリシュナ】
ヒンドゥー教では、ヴィシュヌ神が時折人間の姿をとって現れ、アヴァターラと呼ばれる。
クリシュナは、このヴィシュヌ神のアヴァターラのひとつとされています。
●生涯と冒険: クリシュナの生涯は、『マハーバーラタ』の一部である「バガヴァッド・ギーター」や『バーガヴァタ・プラーナ』などの文献で詳細に描かれています。クリシュナは、牧羊者や牛飼いとして成長し、幼少期から青年期、成人期の冒険や奇跡的な出来事が物語られています。
●バガヴァッド・ギーター: クリシュナの教えの中で最も有名なものは、「バガヴァッド・ギーター」です。これは『マハーバーラタ』の一部であり、アルジュナとの対話を通じて、クリシュナが人生、義務、宗教、哲学についての重要な教えを授けるものです。
●神聖な愛とラーダー: クリシュナは、ゴーピーズ(牧女)の中で特にラーダーとの神聖な愛の物語が有名です。クリシュナとラーダーの愛は、ヒンドゥー教の詩や歌、特に『ギータ・ゴーヴィンダ』などで詠まれています。
●バクティの象徴: クリシュナはバクティ(神への献身的な愛)の象徴として崇拝され、多くの信者にとっては最高の霊的な導師と見なされています。
オディッシーダンスの演目に「ダシャーヴァタラ」という演目がございます。クリシュナ神はビシュヌ真の8番目の化身とされています。以下参考文献。
【クリシュナ神のアヴァター(化身)】
ヴィシュヌ神のアヴァターラ(神の化身)として、クリシュナは主に以下のような形で登場します。ヴィシュヌ神のアヴァターラは十の主な形態で構成されており、これを「ダシャーヴァタラ」と呼びます。クリシュナはその中のひとつとされています。
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マツヤ・アヴァターラ(魚の化身): 世界を洪水から救うために、ヴィシュヌ神が魚の姿をとり、船に乗る聖仙マヌを助けたとされます。
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クールマ・アヴァターラ(カメの化身): クールマはカメを意味し、ヴィシュヌ神が大地を支えるためにカメの形をとり、山を回転させることでアムリタ(不死の霊薬)を取り戻す伝説があります。
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ヴァラーハ・アヴァターラ(猪の化身): ヴィシュヌ神が地球を水の中から引き上げるために猪の形をとり、魔王ヒラニヤクシャを討ったとされます。
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ナラシンハ・アヴァターラ(人と獅子の化身): 魔王ヒラニヤカシプに対抗するため、ヴィシュヌ神が半人半獅子の姿をとり、夜明けと夜明けの間、玄関でヒラニヤカシプを討ったとされます。
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ヴァーマナ・アヴァターラ(小人の化身): ヴィシュヌ神がドヴァーパラ・ユガで行われたヤジュナ家の大いなる生贄のために、小人の子供ヴァーマナとして現れ、三歩で全てのものを手に入れたとされます。
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パラシュラーマ・アヴァターラ(斧の化身): ヴィシュヌ神が武芸の達人であるパラシュラーマとして生まれ、邪悪な王たちやカシュトリヤ(武士)の勢力を抑えたとされます。
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ラーマ・アヴァターラ(ラーマの化身): ヴィシュヌ神がアヨーディヤの王子ラーマとして生まれ、妻シータとともに悪しきラーヴァナとの戦いで悪を討ったとされます。
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クリシュナ・アヴァターラ(クリシュナの化身): ヴィシュヌ神がバラモン教のバーガヴァタ教においてクリシュナとして生まれ、主に『マハーバーラタ』と「バガヴァッド・ギーター」で知られる。
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ブダ・アヴァターラ(ブッダの化身): 一部の文献では、仏教の創始者である仏陀が、ヴィシュヌ神のアヴァターラとして言及されることがあります。
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カルキ・アヴァターラ(将来の化身): 未来の世代で、ヴィシュヌ神が悪しき力と戦うために現れるとされる。
これらのアヴァターラは、ヒンドゥー教の神話と信仰において重要な役割を果たしています。